図書室の海 恩田陸
図書室の海 | |
恩田陸〔著〕 出版社 新潮社 発売日 2002.02 価格 ¥ 1,470(¥ 1,400) ISBN 4103971045 | |
ある地方に伝わる奇妙なゲーム。秘密裏にゲームを引き継ぐ「サヨコ」のほかに、鍵を渡すだけのサヨコがいた…。もうひとつの小夜子の物語「図書室の海」他、不思議な話、ぞっとする話、異色SF等、全10篇収録。 [bk1の内容紹介] bk1で詳しく見る |
この本は恩田陸氏の多々ある作品の番外編だったり、プロローグだったりするらしい。
恩田陸作品初心者の私にはどおりで消化不良だったわけだよ。
でも、そんな事知らずに読んだ私だけど、それでもとても良かった。
消化不良は読者に対する問いかけのように受け止めて、それはそれですごく楽しかった。
恩田ワールドのさまざまな美味しい所を切り取って見せてくれたような、
ベストアルバムのような、見本帳のような、そんな美味しさ。
私は全部好き。
以下、私の感じた感じ。
○春よ、こい
ユーミンの曲のプロモーションビデオでも見ているような映像の綺麗な文章
○茶色の小瓶
○国境の南
この二つは、しっかり者で、どこにも隙の無い完璧な女性のなかにあるかもしれない毒。
特に茶色の小瓶なんて、ありそうな感じでイイ。
○睡蓮
綺麗な少女の心の中に潜む冷たいナルシチズムっていう感じ?
○映画の記憶
日本映画の黎明期の巨匠の映画を見ているような感じ?モノクロの映画のなかに、赤いワンピースがくっきりと色を放っているような。
○ピクニックの準備
主人公が何の準備を始めるのかはわからないけど(きっと恩田ファンならわかるんだろな)、ただ語りながら歩く事、記録を争って走る事を選択する事、って面白いな~って思った。全国の高校でもこういった事行われているのかな?私は初耳だけど。
○イサオ・オサリヴァンを捜して
恩田陸さんってこういうのも書くんだ!と思った。私こういう系かなり好き。
ホメロスのロマン~♪ファンタジー~♪って感じ。スケールの大きさにビックリね。宮崎駿がアニメにしそう。
心の中の百物語、っていう感じ。まるで理不尽な夢を次々と見ているときのような。
○図書室の海
あの「六番目の小夜子」の番外編らしいけど、
こんな風に図書館の海を航海出来るような青春時代を過ごせた人はうらやましいな。
私は中高時代、図書館に入り浸っていたけど、そんなには本読まなかったし。
★★ あ、今度「蛇行する川のほとり」がハードカバーで出るんだね!! ★★
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蛇行する川のほとり | |
恩田陸著 出版社 中央公論新社 発売日 200411下旬 価格 ¥ 1,890(¥ 1,800) ISBN 4120035875 | |
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